ネズミ駆除グッズのひとつに「超音波ネズミ駆除器」があります。コンセントに差し込むだけで、ネズミを追い出すことができるという手軽さから、ホームセンターやインターネットで多くの商品が販売されています。
ただ、商品のレビューを見ると、「効果があった!」と喜びの声をあげている人がいたり、「全く効果がなかった!」と嘆きの声をあげている人がいたりと、評価が割れているものがほとんどです。
いったいどちらの意見が正しいのでしょうか?
(中立的な立場での批評を装ったり、当の商品と直接の利害関係がないファンの感想を装ったりして行われるステルスマーケティングの可能性がある口コミも中にはありますが…)
本当に超音波ネズミ駆除器は効果があるのでしょうか?
今回はこの意見が分かれている「超音波ネズミ駆除器」について、効果はあるのかどうか検証してみたいと思います。
超音波ネズミ駆除器の効果とは
ネズミ駆除のための超音波ネズミ駆除器はどんなことをしているのか簡単に説明しますと、
人間には聞こえない音(超音波)を大音量で発生させてネズミが嫌がる環境を作り、家から追い出すという仕組みになっています。
100デシベル以上の大きな音を発生させています。
ちなみに100デシベルはどのくらいの音なのでしょうか?
身近で聞いている音の大きさを表にまとめてみました。
20デシベル | 木の葉のふれあう音、砂時計の砂の音 |
---|---|
30デシベル | 郊外の深夜 |
40デシベル | 図書館 |
60デシベル | 普通の会話 |
80デシベル | 電車の車内 |
100デシベル | 電車が通るときのガード下 |
120デシベル | 離着陸中の飛行機のエンジン近く |

たしかに、電車の通過音や飛行機のエンジンのようなうるさい音がずっと鳴り響いているような場所には居たくないですよね。
超音波ネズミ駆除器のメリット
駆除のやり方は多種多様ですが、より効率よくやるためには「どの点に優れているのか(メリット)」「どの点が苦手なのか(デメリット)」をしっかり理解する必要があります。
まずは、超音波ネズミ駆除器ならではのメリットを説明します。
薬剤を使わないので安心安全
一番のメリットは殺鼠剤などの薬剤を使わないことです。
小さいお子さんがいる家、ペットを飼っている家は、あやまって殺鼠剤を口にしてしまう危険性がありますから、注意しながら使用しないといけません。
それに比べ、超音波ネズミ駆除器は超音波を発生するだけなので、安心して使用することができます。
ネズミの後処理をする必要がない
粘着シートや捕獲器、殺鼠剤を使用すると、必ずつきまとってくる問題は「ネズミの後処理」です。
- 粘着シートにひっついて取れなくなってしまったネズミの悲痛な鳴き声と後処理
- 毒エサを食べて死んでしまったネズミの処理
- 捕獲器に入ったネズミを水に沈める?or 山に逃がす?
など、捕獲したあとにもやりたくない作業が発生してしまいます。
その点、超音波ネズミ駆除器はネズミを殺すのではなく、家から追い出すものなので、上記のことを心配する必要がありません。
自分で駆除しようと思った人が「超音波ネズミ駆除器」を試してみたくなるのも無理はないですよね。
設置するだけで半永久的に使える
粘着シートや捕獲器は、罠にかかれば取り替える必要があります。
そのまま放置してしまうとそこでネズミが死んでしまい、腐敗して、腐臭やウジなどの二次被害が発生するからです。
ネズミに寄生しているイエダニは、寄生しているネズミが死ぬと、新たな寄生主を求めて人を吸血することがあります。
腹部や太ももから吸血されることが多く、それが原因で皮膚炎を発症しますので、設置した後も監視をする必要があります。
それに比べ、超音波ネズミ駆除器は取り替える必要がありませんので、そのまま使用し続けることができます。
ペットや人間に影響はないのか?

発生させているのが、聞き取ることができない超音波なので、人間やペットに影響がないだろうか心配になりますよね。
ネズミに近い、ハムスターやチンチラなどのげっ歯類には多かれ少なかれ影響がありますので、購入はさけたほうがよいです。
人間は20~20,000hz程度、犬は40~65,000hz程度、イルカは150~150,000hz程度聞こえると言われています。
ネズミ用の超音波ネズミ駆除器の使用周波数は「20,000~50,000hz」ですから、犬、猫、鳥に影響がでる周波数レベルは50,000hz以上にかぶっていませんので問題はないと思います。
ただし、個体差がありますので、落ち着きがなくなったり、いつもと違う症状が出てきたら、使用しないほうがいいでしょう。
まれに他人には聞こえてない音が自分には聞こえるといったかたもいらっしゃいますが、人によって聞き取れる周波数の違いが原因だと思われます。
発生器によっては「カチ カチ」と機械の作動音を発するものもあり、それが気になって眠れなくなったという人もいらっしゃいますので、口コミやレビューで動作音が聞こえるのかどうかしっかり確認したほうがいいでしょう。
ちなみに人間の場合は、歳を重ねるごとに聞こえる周波数はどんどん狭くなっていきます。
歳をとると低音や高音が聞き取りづらくなるのはそのせいです。
アプリでどのくらいの周波数まで聞き取ることができるのかをテストできるものがありますので、気になる方はテストしてみてはいかがでしょうか?
- 耳年齢チェック!iPhone版 https://goo.gl/6kv5Kf
- 聴力検査(Android版) https://goo.gl/D2JJNN
超音波ネズミ駆除器のデメリット
罠にかかったネズミの処理をしなくてもいい!コンセントに差すだけでOK!といい事づくしのメリットをお話しましたが、超音波ネズミ駆除器のデメリットはもちろん存在します。
ネズミが音に慣れて戻ってくる可能性がある
ネズミは非常に順応性の高い動物なので、多少嫌なことをされても、自分に害を及ぼさないと分かればすぐに戻ってきます。
1つの周波数しか発生できないものは、最初は効果があって追い出すことができますが、そのうちその音に慣れてしまうので、戻ってくる可能性が非常に高いです。
そのため、最近では複数の周波数を発生する機器も登場しております。
手動で切り替えるもの、自動で切り替わるものとありますので、確認して購入しましょう。
効果が得られない場合がある
ネズミにも個体差があります。ネズミが嫌がる周波数でないものを発生させていたら、もちろん効果は期待できませんよね?
効果があった!という人と、そうでない人の違いはそこにあるのかもしれません。
こればかりは相性の問題ですからどうすることもできません。
ネズミの行動を知った上で設置していないと意味がない
同じ商品でも効果があったりなかったりする原因のもう一つの理由は「設置の仕方」にあります。機器をコンセントにさせば、ネズミがいなくなると勘違いされている方がいらっしゃいますが、ネズミに超音波が直接あたるように設置をしなければ意味がありません。
どのようにネズミが活動をしているのかを把握しなければ、十分な効果を得ることはできないでしょう。
一つで家全体を守ることができると謳っている商品もありますが、超音波は壁に反射すると効果が薄れてしまいますので、必ずしもそうとは限らないことを理解しておきましょう。
どのように超音波が伝わり、どの部分がカバー出来ていないか把握することが難しいので、想像以上に難易度の高い駆除グッズだと言えます。
カバーできていない場所が存在すれば、ネズミはその場所を居住地にする可能性がありますので注意が必要です。
まとめ
今回は超音波発生機器のメリット・デメリットについてお話させていただきました。
コンセントにつなげるだけで、ネズミの嫌がる超音波を発生させることができる駆除グッズなだけに、お手軽感満載ではありますが、とりあえず設置したらネズミがいなくなるというわけではありません。
より効果を出すためには、ネズミがどのように出入りしているのかを把握する必要がありますし、行動範囲をカバーするために複数装置を用意する必要があります。
また、商品によっては便乗で作られた粗悪品や、ネズミの「慣れ」に対応できないもの(単一の超音波しか出せない)もありますので、しっかり商品を見定めなければなりません。
「超音波ネズミ駆除器を使ってみたけど、ネズミがいなくならない」
とお悩みの方は、まずはネズミがどのルートを使って移動しているのか、どこから部屋に入ってきているのか調べてみましょう。ネズミの行動にあわせてどうすれば侵入を阻止することができるのかを考える必要があります。
すぐには効果が現れるものでもありませんので、最低でも1週間はどうなるのか様子をみておきましょう。
それでも効果が現れない場合は、粘着シートや殺鼠剤など、駆除を目的としたグッズを試してみてはいかがでしょうか?
ネズミは我々が想像している以上に、警戒心が強く、学習能力が高いので、駆除が長期化する傾向にあります。
要因をひとつひとつ丁寧につぶしていくことで、ネズミのいない生活を取り戻していきましょう。
とにかく早く確実にネズミを駆除したいという思いが強い方は、一度プロの駆除専門業者に無料調査してもらうことをオススメします。