よその家でネズミ被害が発生したという話を聞くと、自分の家にネズミが出ないだろうか心配になりますよね。
いったい何が原因で家の中にネズミが出現してしまうのでしょうか。
ネズミは繁殖能力が高く、知能もあるので、駆除することがとても困難な生きものです。
そんな厄介なネズミが、大切な家の中に入ってこないようにするための方法をご紹介します。
ネズミがでる家の条件
どうしてネズミは家の中に入ってくるのでしょうか?
理由はとてもシンプルです。
それは「ネズミにとって快適に過ごせる環境」だからです。
雨風にさらされることがない、食料に困ることがない、外敵に襲われることがない、安全で快適な生活を送ることができるなら、人間だって喜んで住みつくでしょう。
でもよく考えてみると、この条件はほとんどの家が当てはまりますよね。
では、どうしてネズミが出る家と出ない家とに分かれてしまうのでしょうか?
決定的な違いは「侵入しやすさ」にあります。
侵入するのにわざわざ穴を開けていかなければいけない家と、穴が空いている家とでは・・・もちろん、後者の家に入りますよね。
ネズミ駆除業者が徹底的にやっていること、それは「ネズミの侵入口を塞ぐこと」です。
どんなに毒エサで駆除したとしても、ネズミが簡単に入ることができる家だったら、別のネズミたちが侵入してきます。
この「侵入口を塞ぐ」作業がとても重要なことなのか分かると思います。
ネズミが出る家にならないためにも(あるいは、ネズミ駆除した後に再発しないためにも)予防することが大切です。
次の章では、どうやったらネズミ予防ができるのか、具体的に解説していこうと思います。
ネズミが出ない家にするための予防策とは?

大切な家にネズミ被害が及ぶよりも早く、侵入自体を阻止したいものですよね。
少し専門的な話になりますが、「防除」という言葉を聞いたことはありますか?
「予防」と「駆除」をかけ合わせたような言葉ですが、”生命による害を防ぐため、その侵入の防止・個体数の管理などを行うこと”をいいます。
今回のネズミに合わせて言い換えると「ネズミ防除」とは「ネズミによる害を防ぐため、その侵入の防止・個体数の管理を行う」ことになります。
ちなみに「予防」の意味は「想定される悪化に対して事前に備えておくこと」です。
wikipadia
この「防除」の手法は、大きく分けると4つあります。
「環境的防除」
生物が生息・繁殖・侵入が出来ないような環境を保つことにより、個体数を管理する。
例)エサをなくす 生息・繁殖場所をなくす 侵入する進路を塞ぐ
「物理的防除」
物理的手法を用いる。
例)罠などで捕獲する 光・音・電流などで忌避させる、別の場所へ誘引する
「化学的防除」
薬剤を用いる。
例)駆除剤を用いる 忌避剤を用いる 誘引剤で別の場所へ誘引する
「生物的防除」
生物を用いる。
例)天敵を環境中に放つ 繁殖能力を失わせた個体を環境中に放つ
駆除業者はこれらの要素を計画的に組み合わせることで、効率の良い施工を行っています。
これらのうち、主に予防的な役割を持つのが「環境的防除」になります。
ネズミが嫌いな環境にすることで、ネズミが入らないようにする
ネズミが家の中に入ってこないように、「環境的防除」をしなければならないことは分かりました。
では、具体的にどのように取り組んだらよいのでしょうか?
それにはネズミがどうして危険を侵してでも人間が住んでいるところに巣作りをするのかを考えるとよいでしょう。
1.ネズミがエサを取りやすい環境にしない

ネズミは自分の体重の約3分の1の量を食べると言われています。
2~3日食べないと餓死してしまうほど、エネルギー消費が激しいのが特徴で、食料を管理するだけで大きな防除効果になります。
エサがなければ、家に入るメリットがなくなります。食料管理をすることで、ネズミが魅力的に感じない家にしていきましょう。
寝る前に必ず、以下のことをチェックしましょう。
- 生ゴミはフタ付きのゴミ箱に捨てるようにする
- ゴミはなるべく早く出すようにする(ためこまない)
- ネズミの嫌いなハッカなどのメンソール系のニオイをゴミ箱の近くに撒いておく
さらに生ゴミを徹底的に管理するなら
- 生ゴミをゴミ収集日まで冷凍する
- 生ゴミが濡れてない状態で小さなビニール袋に入れて捨てる
- 生ゴミ処理機を使う
という方法もあります。
もちろん、生ゴミをしっかり管理していても、食べかすを落としたままなら意味がありません。案外見落としがちなのが、調理をしている際にコンロの両サイドの隙間に落ちてしまった食材をそのままにしてしまうことです。
隙間に余裕があれば取りやすくてよいのですが、そうでなければとるのにも一苦労ですが、ネズミがこないようにするためにも、頑張って取り除きましょう。
そのほかに注意する点は、
- 開封後の食料品をそのままにしない
- 仏壇のお供え物をそのままにしない
- ペットフードを置きっぱなしにしない
- 植木や石けんも食べるので、食べられないようにする
人間が食べるもの以外なら大丈夫!というわけではないので、注意しましょう。
とにかく徹底的にネズミの餌になるものを無くすことで、ネズミが入りたがらない家にしていきましょう。
しっかりゴミ処理をすることで、ネズミだけでなく、ゴキブリやコバエの発生もなくなりますから、いい事ずくめではないでしょうか。
2.ネズミが巣をつくりにくい環境にする
種を存続させるために繁殖をしますが、そのためには巣が必要です。
家に棲みついたネズミは、家の中からシーツなどの布製品や、新聞紙、ビニール袋などを集めて巣を作ります。
巣材候補になるものをまとめてみました。
- ダンボール
- 布
- 布団の綿
- 断熱材
- トイレットペーパー
- ティッシュペーパー
- ビニール袋
- タオル
- 衣類
- シーツ
巣は、天井裏や壁の中、使用されていないタンスや押入れなどに作ります。
- 巣材になりそうなものは、フタの閉まるプラスチックケースに収納する
- 押入れやタンスは密閉されていることを確認する(穴が開いていたら塞ぐ)
部屋が散らかしていると、ネズミは巣材取り放題状態になりますので、日常的に掃除や整理整頓をし、部屋を清潔な状態に保つよう心がけましょう。
3.隙間をなくし、ネズミが家に入れない環境にする
どんなにネズミにとって魅力的ではない家に環境を変えようとしても、生活をしていれば、エサとなる食料や巣材は必ず出てきます。
ネズミがいつでも家に入れる環境でしたら、その僅かなスキをついて、食べに来るでしょう。
たやすくネズミが入ってこれないようにすること、つまり「環境的防除」にある「侵入する進路を塞ぐ」ことで、ネズミ防除が完成します。
住居にはわずかな隙間や穴がたくさんあります。
例えば屋根や壁の隙間、換気扇、エアコン導入部、窓や戸袋、配管、通風口などです。
よく目を凝らして観察してみると、意外と隙間があるものだなと驚くと思います。
子ネズミであれば、1.5cmの小さな隙間でも簡単に侵入することができるので、徹底して穴塞ぎに着手しなければなりません。
では、実際にどのようにして、隙間を塞いでいるのでしょうか?
穴や隙間を塞ぐには、以下のようなものを使用します。
■ 防鼠金網
手で簡単に加工することができるので、パイプや扉・窓口の隙間、配管部分、長押(なげし)の隙間などに詰め込むことで、侵入をふせぎます。
■ 防鼠ブラシ
ネズミの侵入口、パイプなどに挿し込んだり巻きつけたりして使用します。
エアコンの配管部分、分電盤など
■ パンチングメタル
家屋の隙間や穴に応じて切断して使用します。(切断には金切りバサミなどを用います)
加工しやすいアルミ製と食いやぶりを防ぐステンレス製があります。
壁のダクト周り、排水パイプ周辺など
■ パテ
狭い隙間を埋めるのに便利で簡単なのがパテです。カプサイシン入りなので、ネズミがかじって穴をあけるのをふせぎます。
(カプサイシンによる刺激があるので必ず手袋を着用して作業をしてください)
エアコンの排水ホース、壁のひびわれ部分など
インターネット通販やホームセンターなので容易に購入することができるものばかりなので、自分で隙間を塞ぐことも可能です。
ただし、加工する際はケガをしないよう素手ではなく、厚手の手袋などして取り扱いましょう。
自分で侵入口を防ぐ際に注意してもらいたいことが一点あります。
それは、ネズミを追い出す前に侵入口を封鎖しないことです。
ネズミが家の中にいる状態で、侵入口を封鎖してしまうと、脱出経路がなくなってしまい、他の場所を新しくかじって穴をあける可能性があるからです。
となると、次は「どうやったらネズミを家から追い出せばいいのか?」という問題にぶつかりますが、ご安心ください。
ネズミを追い出す忌避剤もホームセンターやインターネット通販で購入することができます。
「ネズミ 忌避剤」で検索すると多数の商品がヒットしますので、利用されてみてはいかがでしょうか?
まとめ
ネズミが出る家の条件から、ネズミ被害にあわないための予防策、ネズミが出てしまった場合の対策をご紹介させて頂きました。
どうして私の家にネズミが入ったの!など嘆かないためにも、「食べ物の管理」「部屋の清掃」「隙間の封鎖」をしっかりやっていきましょう。
さすがに3ついっぺんにやるのが難しいと感じた方は、まずは「食べ物の管理」を徹底してみてはいかがでしょうか?
どんなに完璧な施工をしても、容易に食料を調達できる家があれば、なんとかしてネズミは中に入ろうとします。
駆除専門業者ですら「食べ物の管理」を徹底してもらわないと完全な駆除は難しいと言います。
エサを簡単に得ることができなくなれば、自ずとネズミは別の魅力ある場所に移動していくでしょう。
ただ、なにをするにしてもネズミ駆除は根気のいる作業です。
いろんなことを試してもダメだった場合は、費用はかかりますが、専門業者に頼むほうがよいでしょう。
確実に効果のある施工をしてくれますので、早期解決することができるからです。